今回の記事はC言語講座を始めるにあたって必要となるものを整えるための記事です。すでにテキストエディタとC言語用のコンパイラをインストールしてパスを通している人はこの記事の『コードの実行方法』の項目までスキップしていただいて構いません。
C言語とは
プログラミング言語のひとつで、最も有名なプログラミング言語と言っても過言では無いでしょう。
歴史ある言語で現在使われているプログラミング言語でもC言語から派生したものはとても多いです!C++などの人気な言語もその1つで、そのような背景をふまえると現在でもC言語を学ぶ意義はまだまだあると言えます。
これから何回か(20回くらい)の記事に分けてC言語を学習できるコンテンツを提供していくわけですが、習得するためには手を動かし実際に実行してみるのが非常に重要です。そのためにまずはC言語のコンパイラをインストールしましょう。
C言語コンパイラのインストール
コンパイラというのは、あるプログラミング言語で書かれたものをコンピュータが理解できるものに変換するための翻訳マシンにあたります。実際に動かす際に必要になるもので、コンパイラがないと折角書いたC言語のソースコードも機械が読めないので動かすことができません!
この講座ではC言語を書いて動かして勉強していくので、コンパイラのインストールが必要になります。統合環境を使うこともできますが、コンパイラを入れて動かす方がシンプルでわかりやすく制約もないので、コンパイラを用いる方向で話を進めていきます。
コンパイラとはある言語で書かれたソースコードをコンピュータが理解できる形に変換してくれるもの。
コンパイラのインストール方法はお使いのパソコンのOSによって異なるため、ここではWindowsとMacの場合でのインストール手順を説明してくれている記事へのリンクを示しておきます。
Windowsを使っている場合
コンパイラのインストールが終わったらこちらの記事でパスを通しておいてください。パスを通す際は慎重に進めてくださいね。
Macを使っている場合
こちらはWindowsとは違ってパスを通す必要がないので簡単です。
エディタの紹介
Atom
エディタは自分が好きなものを使ってもらえれば大丈夫です。特にこだわりがない人はAtomをお勧めしておきます。私が普段使っているというのもあるのですが、あとでパッケージを追加して機能の拡張ができるので非常に便利です。
gedit
機能が少ない方が分かりやすくて好きという人はシンプルなgeditが使いやすいと思います。
Windowsのメモ帳は見えづらいのでお勧めはしませんが、コードを書くエディタとして用いることは可能です。
機能が乏しいのでエディタは入れた方が良いです(本当に便利!)。
コードの実行方法
次回の記事から本格的にC言語の勉強を始めていくわけですが、C言語のコードの実行方法を知らないと動かせないので、この記事の締めくくりとしてサンプルコードを実際に動かして動作確認をしてみましょう。
サンプルコード
サンプルコードとして以下のソースコードを実行してみます。
#include <stdio.h>
int main() {
printf("おはようございます\n");
return 0;
}
これをエディタを開いてコピー&ペーストして保存してください。保存する場所は自分がわかればどこでも大丈夫です。私はDocumentsの中に新しくフォルダ『practice』を作ってその中にフォルダ『c』を作って管理しています。このC言語講座ではファイル名をサンプルコードの右上につけているので、同じ名前にしておくと混乱しないかもしれません。拡張子は必ず”.c”にしておいてください。
ソースコードの拡張子は必ず『.c』にする。
実行方法とコマンド
先ほど保存したソースコードを実行してみます。Windowsの人は、『Windowsキーを押して”cmd”を入力してEnterキー』でコマンドプロントを起動します。Macの人は『Finder>アプリケーション>ユーティリティ>ターミナル』でターミナルを起動します。この出てきたウィンドウに色々コマンドを打ち込んでC言語を動かすことになります。この講座で使うコマンドは少ないので、ここで全部覚えちゃいましょう。(簡単に用語の意味も載せておきます)
コマンドとはターミナルやコマンドプロント、シェルなどで使われるコンピュータを操作する際に使われる命令のこと。
コマンドラインとは、ターミナルやコマンドプロント、シェルなどでコマンドを打ち込む時の行のこと。
フォルダ(ディレクトリ)とは、ファイルを分類したり保管したりするために用いるもの。
lsまたはdir
今アクセスしているディレクトリ下にあるファイルやディレクトリの一覧を表示するコマンドです。lsもdirもほとんど同じ用途で使うので、どっちか片方が使えれば問題ありません。(Macの人はdirは使えないと思います)
lsはlistの略で、dirはdirectoryの略でしょう(多分)。
pwd
現在アクセスしているフォルダが分かるコマンドです。pwdはprint working directoryの略らしいです。(知らなかった←)
cd
現在いるディレクトリから移動する際に使うコマンドです。移動先を指定してあげる必要があるため、先ほどまでのコマンドと違ってコマンドの後ろにも入力しています。『cd [子ディレクトリ]』/ 『cd ..』みたいな感じで使います。cdはchange directoryの略です。
gcc
C言語のソースコードをコンパイルするために用いるコマンドです。『gcc [ソースコードが書かれたファイル]』という形で実行できます。このC言語講座では実行ファイルの名前もつけたいので、オプションとして『-o [実行ファイル名]』もつけて、『gcc xxx.c -o yyy』みたいな感じで使うことにします。(xxx.cはソースコードのファイル名、yyyは実行ファイルを作るときにつけたい名前です)
コンパイル
実際にコンパイルをして実行ファイルを作りましょう。
最初にコマンドプロントかターミナルを開きます。
次に、ソースコードを保存しているところまで、cdコマンドを用いて移動します。lsやpwdを使いながら現在どこのディレクトリにいるか見ながら移動しましょう。
ls
pwd
cd Documents
lsをして目的のファイルが見えるディレクトリまで移動できたら、gccコマンドを用いてコンパイルします。
gcc tc0101.c -o tc0101
もしソースコードに間違いがあれば、gccコマンドを行った際にコンパイルエラーと呼ばれるものが出てきます。ソースコードを直してもう一度コンパイルしてみましょう。
何も起こらなかった人は無事にコンパイルされています。
実際にコンパイルができたのなら実行ファイルが作られているはずです!コンパイルができたのかを確認してみましょう。lsコマンドを入力してみるとファイルが一つ増えているのが分かります。この増えたファイルが実行ファイルです。
それでは早速ファイルを動かしてみましょう。./の後ろに実行ファイル名を書きます。
./tc0101
実際に私の環境で実行した結果はこんな感じです。(やばい情報はないと思うのでそのまま掲載してます)
Last login: Sat Nov 23 13:31:19 on ttys000
The default interactive shell is now zsh.
To update your account to use zsh, please run `chsh -s /bin/zsh`.
For more details, please visit https://support.apple.com/kb/HT208050.
(base) iwachokonoMacBook-Air:~ iwachoco$ ls
Applications Documents Library Music Public
Desktop Downloads Movies Pictures
(base) iwachokonoMacBook-Air:~ iwachoco$ cd Documents
(base) iwachokonoMacBook-Air:Documents iwachoco$ pwd
/Users/iwachoco/Documents
(base) iwachokonoMacBook-Air:Documents iwachoco$ cd practice
(base) iwachokonoMacBook-Air:practice iwachoco$ cd c
(base) iwachokonoMacBook-Air:c iwachoco$ ls
tc0101.c
(base) iwachokonoMacBook-Air:c iwachoco$ gcc tc0101.c -o tc0101
(base) iwachokonoMacBook-Air:c iwachoco$ ls
tc0101 tc0101.c
(base) iwachokonoMacBook-Air:c iwachoco$ ./tc0101
おはようございます
(base) iwachokonoMacBook-Air:c iwachoco$
無事、『おはようございます』という文字列が出力されました!サンプルコードについては説明していないので、全くの初心者の方はどんな処理が行われているのかわからないと思います。次回からはC言語の書き方について学習していきます。その記事を勉強すればサンプルコードの内容が理解できるようになるのでお楽しみに!
まとめ
今回の記事では前半は環境構築、後半はコンパイルができるかを試してもらいながらプログラムの実行の仕方を説明しました。コマンドについては少し難しく感じた方も居たかもしれませんが、たくさんコンパイルをしているうちに慣れていけば大丈夫です。忘れたら何度でもこの記事に戻って復習してみてくださいね。
- コンパイラとは、ソースコードを実行ファイルに変換してくれるもの。
- コマンドを使ってコンパイルを行う。
- コンパイルエラーが出たらソースコードを直してあげる。
- 実行ファイルを実行するときは./実行ファイル名と書く。
最後まで記事を見ていただきありがとうございます。また別の記事でお会いできることを祈っております。